どれくらい年月が経ったのかも分からない
自分の存在さえも分からなくなるような暗闇の中、俺はただあいつの姿だけを追い続けた
もう、追いつくことも隣に並ぶことも叶わないあいつの姿を…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
野球選手、花屋、パイロット、歌手、画…etc子供の語る夢の数々。“魔法少女になりたい”それが私の夢。同じ夢なのに何故私の夢を皆
嘲る?「現実を見なさい」とか「いい年してそんなことを」とか…
実現できないなんて誰が決めた?夢を見るのに年齢制限なんて誰が設けた?馬鹿にしたけりゃすればいいよ。どんなに否定されても私は諦めま
せんから
 
 
 
そんなことを思い続けてこの春ついに高校に入学。1ヶ月ちょっと経ったわけだけれども友達の数は0、まぁ容姿が容姿だから友人関係が希薄
になることは気にしていないしもう慣れている。話し相手に関しては別のクラスに幼馴染みがいるから事足りているしね。
ちなみに夢はもちろん諦めてない。できるなら中学生までにはなりたかったけれどもそこは現実、全てが思い通りになるなんて考えてない
 
「高校生魔法少女。うん、悪くない悪くない。てことで早くきっかけは訪れないものかねー」
 
夢が叶ったときに足かせになったら困るので何処の部活にも入らなかった。というわけで現在下校中。
 
「こういう曲がり角ってなんか出会いがありそう…ってそれはラブコメか」
 
目の前に差し掛かった曲がり角を見ながら何回目かわからないシチュエーションを想像してみた。ここを曲がればまでもうすぐ。
 
「今日も何もなし、かぁ。あぁもう!帰ったら悠んちにでも八つ当たりにぶっ」
 
ぶつぶつ呟きながら角を曲がると正面から何かがぶつかってきた。う、うおお…軽く鳩尾入ったんですが…
お腹をさすりながら激突してきた物体を確認しようと前を見ると驚いたような表情をした少女が尻餅をついていた。と次の瞬間には少女は勢い
よく起き上がり必死な形相で私の服を掴んできた
 
「た、助けて下さい!!」
 
「おお、なんというラブコメ展開」
 
「ラ、ラブコメ?」
 
「あ、いや気にしないで、ささっ続きをどうぞ」
 
私の発言でキョトンとしてしまった少女に軽く手を振り先を促す。未だに訳が分からないという顔ではあったが自分の用を思い出したのかまた
焦り出した
 
「あの、助けていただきたいんです!」
 
「みたいだね。で、私はどうすればいいの?」
 
「えっ…た、助けてくれるんですか?」
 
私が尋ねると少女はまたきょとんしてしまった。や、助けてほしいって言ったの君じゃないの
 
「うん」
 
「ほ、ホントですか?」
 
「…疑り深いね。助けてあげるから、どうしてほしいか言ってみなって」
 
何度も聞き返してくる少女にそんなに信用できないかねと思い苦笑をもらした
 
「…で、では一緒に来て下さい!」
 
「どこに?」
 
「確か出雲とかいう地です!」
 
「は?出雲?出雲って確か…島根県だよ、ね?」
 
「詳しい場所は知りませんがとにかく一緒に来て下さい!」
 
「ちょっ詳しい場所知らないって大問題じゃない?というかここ東京よお嬢さん。島根ってここから遠いよ?」
 
「大丈夫です!封印の中に居た時はいまいち分かりませんでしたが、今は気配を感じ取れるんでそれを辿れば問題無しです!」
 
自信満々にそう言ってぐいぐいと私の腕を引っ張る少女。…何が大丈夫で、その自信がどこから湧いてくるのか小一時間問い詰めたい。うーん、
とりあえず落ち着いて現状把握をさせてほしい。出雲だろうが何処だろうがついて行ってもいいんだけどさ(なんか面白そうだし)、こんな訳
分かんない状態で連れて行かれるのは非常に不愉快である
 
「とにかくっ奴らに私の封印が解けたことを感づかれる前にアレン様を助けなくてはっ!」
 
「うん、とりあえず落ち着け」
 
「痛っ?!何するんですか!ってななな何するんですか?!」
 
「はいはいはいはい、まずお茶でも飲んで落ち着こう。話はそれからだ」
 
私の腕を引っ張り続ける少女の頭にチョップをかまし、自分より小さな少女の体を持ち上げ腕の中に納めた
 
「そ、そんな時間ないd」
 
「今の状態が非常に不快なのです。詳しく話を聞かせてもらえない限り私はここを一歩たりとも動きません。」
 
「そんな…」
 
「さぁどうするお嬢さん?私を諦めて誰か別の人を探してもいいけど、こんな要領を得ない話を聞いてくれる人はそうそういないと思うよ?」
 
「うぐぅ…」
 
意地悪そうな笑みを浮かべてそう言えば少女は言葉に詰まり俯いて何やらぶつぶつと呟き始めた。確かにここまで話を聞いてくれたのは…とか
なんとか聞こえてくるからさっきの私の言ったことに心当たりがあるのかもしれない
 
「…分かりました。貴女の提案に乗ります」
 
たっぷり考えた後に俯いたままぽつりと呟いた。それを聞いて私はさっきまでの笑みとは一転してにっこりと笑みを浮かべた
 
「よしきた。じゃあまずはうちでティータイムといきますか!」
 
会話及び行動の決定権を握れたことに満足して私はに向かい歩き始めた。何かお茶請けあったかなーなんて考えていると私の腕の中から溜め
息が聞こえてきた










というわけで、カプリッチオ!の1話です。
この主人公は相手のペースに流されるのが嫌いなのかもしれませんね。なんと面倒くさい子←